株式会社CLINIAL(東京都渋谷区、代表取締役: 水野孝昭)は、第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)において、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、以下「国立がん研究センター」)との共同研究の成果として、「がん領域における医療機関間連携を目的としたHL7 FHIR mCODEの項目面からの実装の検討」を発表しました。
本研究では、急性期がん治療専門病院で運用されている統合データベース(電子カルテや部門システムからテキストデータを集約した基盤)を対象に、前医での治療実績など診療情報提供書にしか存在しない情報を、どのように標準化して利活用できるかを検討しました。診療情報提供書の記載要領は2022年にHL7 FHIR準拠の標準規格となった一方で、疾患状態や治療歴をすぐに二次利用できる粒度にはなっていないという課題があります。
そこで、がん領域の国際標準規格であるmCODE(minimal Common Oncology Data Elements, Version 4.0.0-ballot)に含まれる項目のうち、臨床・観察研究それぞれの目的で必要となる項目を分類し、病院側の統合データベースでどこまで自動的に充足できているかを評価しました。その結果、mCODEの6つのテーマグループ・65プロフィールにおいて臨床データから設定される約3,400項目のうち、観察研究目的で必要とした1,076項目の29.4%、臨床目的で必要とした1,106項目の29.1%が、統合データベースから即座に抽出可能であることが示されました。一方で、OutcomesおよびGenomicsといったグループでは充足度が低く、現状の電子カルテ記事・PDF形式の検査報告書に情報が散在している実態とも整合的な結果となりました。
複数の臨床医からは、mCODEの項目体系そのものはがん領域の情報構造として有用であるとの評価も得られており、今後は電子カルテ構造化やレポート様式の見直しを通じて、mCODE/FHIRに準拠したがん治療歴データの医療機関間連携を実現していく必要性が示唆されました。
当社は、本共同研究で得られた知見をもとに、国立がん研究センターをはじめとする医療機関との連携を一層強化し、がん診療情報の標準化と医療機関間連携を支えるデータ基盤の構築に取り組んでまいります。
(参考)
がん領域における医療機関間連携を目的としたHL7 FHIR mCODEの項目面からの実装の検討/第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)
https://confit.atlas.jp/guide/organizer/jcmi/jcmi2024/subject/2-G-5-02/search;jsessionid=F32F3A886AD6932B14C937800A1DB261